研修先として当院を選んだ理由
大学6年生の時点では救急・総身・小児(特に児童精神)に興味がありましたが、初期研修としては、救急当直のファーストタッチを担えること、総合診療の研修も受けられることが重要だと考えていました。こちらの病院はその条件を十分に満たしていました。その上で、児童精神科だけでなく、児童心療内科まであったり、児童虐待のことを多職種で真剣に考えるチームがあったり、医療者と患者・地域が垣根なく交わるホスピタルアート活動が盛んだったりと、、、初期研修の先に、自分がどんな医療者になりたいのか、どんな医療者が求められているのかということを考える上で絶好の環境だと思いました。私は初期研修から香川県に帰ることを決めていましたから、この病院が地元にあったのは幸運としか言いようがありません。
研修内容のおすすめポイント
私からは、児童心療内科の牛田先生のチームが行っている親プログラムに同席することをあげたいと思います。精神科医だけでなく、家庭医など患者さんの家族関係や背景まで入っていく医師を目指す方にオススメです。徹底的に、面接技術を鍛えられますし、言葉の力で人が変わっていくことをきちんと経験できます。患者さんとのやりとりを文字起こしして、医師の言葉、患者の言葉を先生の指導の下、一つ一つ丁寧に追いかける。そんな贅沢な時間は、持ち患者のいない初期研修医の頃しかなく、日々新しい気づきがありました。あの経験なしに精神科医になっていたらと思うとゾッとします。
四国こどもとおとなの医療センターの魅力
それぞれの信じる道を突き進んで形にしてきた大先輩たちがいること、どんなチャレンジでも背中を押してくれる人がいることです。詳細は割愛しますが、僕は思うところあって初期研修の途中から街の中の一軒家で居場所づくりをはじめました。始めるにあたって、大先輩たちからは多くのアドバイスをいただきました。多分、この病院じゃなかったら誰からも、理解も応援もされてなかったんじゃないかなと思います。自分のチャレンジも6年目を迎え、いくつかの活動は形になって、アートディレクターの方の発想を通してまたこの病院に繋がっています。
上級医はどんな人?
若手~中堅の先生が多く、親しみやすい方ばかりです。また、香川に住む人間として、知る人ぞ知る美味しいうどん屋さんを知っているので、見学に来られた際は是非教えてもらってみてください。
医学生へのメッセージ
この病院は小児病院と地方病院が合併して両方の機能を兼ね備えるようになった、全国的にも珍しい経緯を持つ病院です。そのため、まさにこのユニークな病院名のごとく、この病院での研修は、他の病院のそれとは全く異なるものとなります。そして、その経験は後期研修以降のキャリアにおいて、他の研修医が持ちえない、明確な個性となるでしょう。これは、将来小児科になる人以上に、一般的な大人の診療に携わる人にこそ、大きな特色となります。それをどう評価するかはその人次第ですが、この病院のHPを見つけだしたあなたなら、きっと面白いと感じるのではないでしょうか。
少しでも興味が湧かれた方は、是非一度見学にいらしてください。アートに彩られたユニークな外観の病院と、それ以上にユニークな環境が、あなたをお待ちしております。